40代をぼちぼちと生きる

40代突入を機にブログ始めてみた

北野武監督作品 ソナチネ

私が「ソナチネ」を観たのは、今年3月のことだった。

ソナチネは1993年公開。北野武監督の映画である。

私が北野作品を観たのは「菊次郎の夏」以来、19年ぶり2本目だ。

 

私は北野作品に苦手意識があった。

北野作品にはバイオレンスなイメージが強く、暴力的なシーンが苦手な私は、ソナチネもきっとそういう映画なのだろうと、先入観を持って避けてきた。

ではなぜ、ソナチネを観るに至ったのか。

それはこの作品が、故・大杉漣さんの追悼企画として地上波で放送されたからだった。

まさかソナチネを、このような形で観ることになるとは、想像すらしていなかった。

 

 

赤い空の背景。その手前にあるモリに刺さった青いナポレオンフィッシュ。そして、久石譲さん作曲のテーマ曲「Sonatine~act of violence~」の、どこかさみしげな旋律。

このオープニングに、私の心は持って行かれた。

 

あらすじはググれば出てくるだろうから、ここでは割愛させていただく。

 

 

ソナチネといえば、津田寛治さんのデビュー作。津田さんが、北野監督に直訴して出演に至ったという話はあまりに有名で、ツダカンファンならずとも一度は聞いたことがあるだろう。

そんな津田さんだが、開始後すぐに登場する。

茶店のホール係としてバイトをしている青年の役なのだが、店員らしからぬ格好で、客の女性をナンパしているのである。

B系ファッションに身を包み、髪を立てたその姿。「チャラそう」という言葉しか出てこない。当時既に三十路手前だったはずだが、実年齢よりずっと若く見える。

 

「デート?遅いから、30分も待ってんじゃん。俺もうバイト上がっからさ、これから2人でどっか行こうよ。ディスコとか。どこでもいいから」

 

見た目だけでなく、セリフの言い方も若い!

まだ何にも染まっていない(村瀬でもろくでなし男でもない)ツダカンは一見の価値あり。

 

 

この映画、とにかく出演者が豪華だ。

今や名バイプレイヤーと呼ばれる役者さんが多く出演している。

先述の漣さんとツダカンさんもそうだし、渡辺哲さん、寺島進さん、勝村政信さん、矢島健一さん、木下ほうかさん、…など。そうそうたる顔ぶれ。

「この人も出ていたのか!」と、探しながら観るのも面白い。

 

勝村さんと寺島さんがわちゃわちゃするところや、渡辺哲さんの踊り、ほぼアドリブなんじゃないかと思わせる漣さんのかわいらしさは、おじさん好きにはたまらないのではないだろうか。

 

 

私がこの映画を好きな理由の1つが、「色の魅せ方」だ。

沖縄の白い砂浜と真っ青な空、青空に飛び散る赤い花、スカイブルーの車、夜の群青色…。

失礼を承知で言うが、芸人ビートたけしさんからは想像ができない映像美。

正直、このような繊細な画を撮る人だとは思っていなかった。

 

もう1つの理由は、バイオレンス映画でありながら、バラエティー番組を見ているかのような演出。

スイッチを入れたり切ったりするかのように、バイオレンス部分とバラエティー部分が切り替わる。そのさじ加減が実に絶妙で、観ている者を飽きさせない。

事実、私は録画したものを数回観たが、何度観ても同じところで笑えるし、飽きない。

むしろ何度も観たくなるような、中毒性がある。

バラエティー部分には「お笑いウルトラクイズ」を彷彿とさせるシーンもあり、本来笑えない残酷なシーンなのだが、どうしても笑ってしまうのだ。

 

そうは言っても、やはりバイオレンス映画なので、ドンパチシーンはある。

「うわ!」と思う部分もあるが、目を背けたくなるような描写は感じられなかった。

しかしこれには個人差があるだろう。

 

北野作品はバイオレンスだし、興味はあるけどそういうジャンルは苦手だからと、二の足を踏んでいるのであれば、北野作品の入門編としてお勧めしたい1本だ。

 

ソナチネをきっかけに、次は「HANA-BI」を観ることができたのだが、HANA-BIについては別の機会に書こうと思う。

 

 

しかしこれで北野作品を克服したわけではなく、「アウトレイジ」はまだ観る勇気がない。

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